「逝き方」についての考察

医療・介護

男性80.21歳、女性86.61歳(※)と世界一長寿な日本人。
医療技術の進歩でとっても長生きにはなったけど、その終末期の医療については、考えてみる必要がありそうです。

先日、ある会合で看護師さんに会いました。
現在は訪問看護をされていますが、少し前までは、ある高齢者施設の看護師として勤務していたそう。ちょっとリッチめの方が多く入居されていて、たぶんみなさん名前を聞いたことがあるところです。

「どんな感じでした?」と聞いてみると、「よかったですよ」と。
「どんなところがよかったのですか?」と聞いてみると
「施設で亡くなる方もいるのですが、その亡くなり方がきれいなんです」。

「亡くなり方がきれいってどういう意味ですか?」と聞くと「枯れるように亡くなるんです」、と。

どういうことかというと、病院での終末医療では、点滴や胃瘻などで最期まで栄養補給をしたり、人工呼吸器をつけたりして、最期まで十分すぎる医療を施します。そうすると、むくむなどで不自然な体型や顔つきになったり、なかなか逝けずに苦しまれたりするそうです。

けれどその施設では、ご本人が食べなくなったら無理に食べさせることをせず、過剰な医療を施さない、もちろん救急車も呼ばなかったと。

それには家族の理解が不可欠なので、事前に本人と医師と家族とで、十分な話し合いを持っていたとのことでした。

病院での勤務も経験していたその看護師さんから見て、そうして亡くなった施設の方たちは“きれい”だったと言います。
すごく考えさせられる言葉でした。

最近では、そうした終末医療に疑問をなげる医師も増えてきていますね。
先日のこの記事も考えさせられました。

>> 読売新聞の医療サイト『yomiDr.‐ヨミドクター‐』
【こころ元気塾】宮本顕二・礼子夫妻(1)寝たきり老人がいない欧米、日本とどこが違うのか

死ぬのも生きてるうちのひとつの仕事、と思えば、枯れるように逝く、というのは案外正しいのかもしれませんね。


※厚生労働省 平成25年度「簡易生命表」より




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