50代おひとりさま男子の介護のリアルを綴った本
オモロ世代(40代50代)では、親の健康や介護のこと、とても気になりますよね。自分の老後もさることながら、その前に必ず経験するであろう、親の介護。
大変そうなことはあちこちから聞こえてくるけれど、実際に経験しないと、実感できないのは確かです。
けれど実際、どんなタイミングで介護が必要になるのか、そのとき親はどんな状態になるのか、実際に介護を始めるとどんな生活になるのか、など具体的に想像しておきたいという気持ちもあるのではないでしょうか。そして、そのとき自分はどうなるのか…?
そんなあなたにおすすめなのが、松浦晋也さん著作の本『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』(日経BP社)。タイトルそのまま、50代おひとりさま男子の松浦さんが、お母さまを介護した2年数ヵ月にわたる日々を綴ったノンフィクションストーリーです。
当時80歳のお母さまと男やもめの松浦さんは、実家で気楽な二人暮らし。それまで自分なりに楽しく暮らしていたお母さまが認知症を発症し、気ままな独身生活を謳歌していた松浦さんが介護をすることになり、悪戦苦闘する様子、自分の心境やお母さまに対する振る舞い、降りかかってくるさまざまな問題を凄まじく現実的に描いています。
このお話し、今年の3月から日経ビジネスオンラインで「介護生活敗戦記」というタイトルで連載されていました。初めてこの記事を読んだときから、たいへんな衝撃を受けました。ここまでリアルに書いている記事って、いままでなかったと思います。
ちょっとおかしな言動をとるお母さまの様子を、始めのうちは認めなかった。いや、その前に、自分の母親が介護が必要になるなんて思いもしていなかった。
それが認めざるおえない状態になり、認知症が進行してお母さまのパンツを洗うようになったときの気持ち、通販でモノを買いまくるというお母さまに現れた症状、人柄が変わっていく様子、介護のストレスで自分が壊れていくさまなど、どのエピソードをとってみても、読んでいて胸が締めつけられました。
けれどその中で、ユーモアを持っていたり、ひとつひとつ乗り越え経験から学んでいかれたことは、強く伝わってきます。その介護生活の現実がありありと想像できます。
おひとりさま男子も女子も、おひとりさまでない人も、親の介護が気になる方は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、日経ビジネスオンラインでも読めます。
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◆日経ビジネスオンライン
介護生活敗戦記
著者:松浦晋也
(第1回)「事実を認めない」から始まった私の介護敗戦
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