『せたがや居場所サミット』に感じた可能性

コミュニティ・地域

先週の日曜日、世田谷区の二子玉川で「せたがや居場所サミット」というイベントが開催されました。

世田谷区にはNPO法人が500以上あり、市民団体も多数あって、市民活動がたいへん盛んな地域です。この日は48団体が参加し、会場となった東京都市大学二子玉川夢キャンパスには200人近くが来場。それぞれの活動内容を展示したり、トークセッションやトークリレーが催されました。

この「せたがや居場所サミット」は、高齢者や介護、子育てなどに関する地域活動をしている3人の女性が「縦割りってダメだよね。やろっか」から始まったそうで、市井の区民が自主的に企画し、動き、すべてボランティアでおこなわれたんです。

私カッキーもボランティアとして参加しました。そこで見聞きし、こりゃスゴイ!と思ったことを挙げたいと思います。

1.市民だけの手で開催したのがスゴイ!
市民が言い出し、高齢者、介護、子育て、若者、障害者など垣根をこえた団体が一堂に会し、運営もすべて市民の手弁当でおこなったってスゴイです!

こうした市民団体のサミット式のイベントは、たいがい行政などが関わっているものですが、はじめから終わりまですべて市民がおこない、200人近くが集まる。世田谷区の市民のパワーはほんとに素晴らしい。

言い出しっぺのお一人である中澤まゆみさんは、医療・介護・福祉と住民をつなぐ活動をされています。日ごろから「世田谷区で活動している団体は多いけど、横のつながりがない」と思っていて、人と人をつなぐ試みをいろいろされていました。

高齢者や介護に関する活動をされている岩瀬はるみさん子育てに関する活動をされている松田妙子さんと意気投合し、垣根をこえ、“ごちゃまぜ”につながれるきっかけになれば、とこのイベントを企画されたそうです。

そして市民だけの手で実現させたのですから、ほんとスゴイな~。

2.区内に500以上のNPOや市民団体があるのがスゴイ!
それにしても、NPO法人が500以上あり、市民活動の盛んな世田谷区という地域ってスゴイですね!日本全国では平成30年1月31日現在で51,861法人あるそうですが、そのうちの500以上って、間違いなくかなり多いですよね。おそるべし、世田谷区。

3.活動されている皆さんがエネルギッシュでスゴイ!
企画された3人の女性もさることながら、集まった団体の皆さんもとても精力的に活動されていてスゴイです!

参加されたのは、子育て支援、ケアラーズカフェや認知症カフェ、障害者・障害児の支援、空き家利用、子ども食堂、子どもの遊び場、シェアハウス、引きこもり支援、地域デイなどなどさまざまな分野で活動をされている団体の皆さん。なかには、そんなことやっているんだー、はじめて聞いたーなど、ほんとにいろんな活動があって深く感心させられました。

このような団体があるって知ることは、もしそうした困った状況になっても、一緒に考えたりサポートしてくれる人たちが近くにいると思えるだけで、とても心強いのではないでしょうか。

4.団体間のつながりで、ケアのネットワークが面に!
垣根を超えたごちゃまぜのつながりができることで、ケアのネットワークが点から線へ、そして面になります。トークセッションで岩瀬はるみさんがおっしゃっていましたが、「自分たちの活動ではちょっと足りないことも、つながりができることで、よりマッチする別の団体に紹介することができる」と。

たとえば、ダブルケア(介護と子育てをいっぺんにしている)の方がケアラーズカフェにきて子育てに関するお困りごとをお話しされていたとしたら、子育てを中心に活動している団体を紹介することができる。

団体間のごちゃまぜのつながりができることで、そんなふうに機能していくことが期待できそうです。

5.より良い地域づくりの礎となる!
高齢化が進むこれからの時代、地域での助け合いは不可欠になります。そこでは、顔の見えるつながりが重要です。

それぞれの分野で精力的に活動している人同士の、こうしたつながりができることは、安心して暮らせる世田谷の地域づくりの土台となるなと、強く感じました。他の地域にとっても、こうした試みはより良い地域づくりの大きなヒントとなるのではないでしょうか。

「せたがや居場所サミット」で生まれたつながりがどう発展していくのか、今後も楽しみです。

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