東南アジアの森、日本の森

「オモロウゴをつくる技」でご紹介したウィルライフ株式会社さんから伺ったお話で
もっとも驚いたことのひとつが、森の話でした。
>> 想いを分かちあえる棺『エコフィン』 ~ウィルライフ株式会社~ (前篇)
記事にも書いたように、
日本で使われている木材の多くが、海外から輸入されています。
そのうち、棺など「合板」に使われる木材は、マレーシアやインドネシアといった東南アジアからの輸入です。
特に、インドネシアの島々では違法伐採がはびこっていて
スマトラ島などでは、このままいったら数年後には天然林がなくなってしまうという!
スマトラ島って地震でよく聞く名前ですが、
東南アジアの亜熱帯ジャングルが広がっているイメージの島に
そんなことが起きているなんで、驚きでした。
そして、その違法伐採の原因のひとつになっているのが、日本の輸入木材です。
安いものがよい ⇒ 安いものを輸入する ⇒ 違法伐採をまねく ⇒ 海外の森がなくなる
そりゃ安いものがよいけれど、意識していなければ、背景ではこんな構図が広がっているのですね。目の前に提示される値段だけでなく、その背景に思いを馳せることも必要だと考えさせられました。
一方で、日本の森。
戦後、復興には木材が必要だ、となって造林政策が推進され、人工林がどんどん増えていきました。
しかし外材の輸入自由化が本格的に始まると、安く手に入る輸入木材の需要が高まるのと反対に、国産材はどんどん落ち込んでいきます。
林業じゃ生活できなくなった人々が、別に職を求めて離れていき、森が放置されてしまいました。
人工林は、間伐など人の手を入れないと、荒廃してしまうのです。
最近多くなったと思われる水害の数々、この、人工林が間伐されていないことが原因だったんです。
つまり、木が多すぎる、と。
時代が進むにつれ、宅地造成や道路、鉄道の造成も進んでいるので
てっきり森が少なくなっているんだと思っていました。
しかし現実は、逆。
人工林の手入れがされず、つまり間伐されないため、木が多すぎて(!)
そのために育つ木も育たなくなり、森が荒廃して、森の機能を果していないのです。
東南アジアの森は、伐採され過ぎて、森がなくなろうとしている。
日本の森は、間伐されなくて木が多すぎて、森が荒れている。
なんとも皮肉ですね。。
「棺」という、ヘタしたら何も意識することなく選択するものが
意識して選択することで、環境問題に大きな影響を与えるかもしれない…
「エコフィン」は、そんな意味も含まれた選択肢なんですね。
>> 【参考】スマトラ島の熱帯林の減少(WWFのホームページ)
>> 【参考】日本の林業の現状(森林・林業学習館のホームページ)