自分らしく生きるための学び場 ~トラベシアのエンディングノート講座~

だいぶその存在を知られてきたとはいえ、OMORO☆TOMORROW世代では、まだ先の話と思われる「エンディングノート」。けれど「オモロウゴをつくる技」でも紹介したように、エンディングノートは、自分の生き方を確認できる貴重なツールなんです。
ただ、実際書こうと思うと、これまでに考えたこともないことに直面し、書けないのも事実。自分の価値観に気づくためには、知識や情報がないと。そして、それらをいろいろ話せる場が必要なのかもしれません。

未来も自分らしく生きるために、エンディングノートを使った学びの場『エンディングノート講座』を開催している、トラベシア代表の石崎公子さんにお話しをうかがいました。




エンディングノートを書かない「エンディングノート講座」

皆さんはエンディングノートって見たことありますか?「終活」がだいぶ浸透し、エンディングノートも普通に知られるところとなりました。自分の亡くなった後のことを考えておく、というイメージがありますが、それだけではないんです。

エンディングノートは、『これまでの人生を振り返り、事実やこれからの希望を言語化することにより、自分の人生を俯瞰することができ、気づきを得られる』意味あるものだと「オモロウゴをつくる技」でもお伝えしていましたが、同じような想いでエンディングノートをとらえ、開催されている講座がありました。

トラベシア代表の石崎公子さんが開催する「エンディングノート講座」。石崎さんはエンディングノートをどのようにお考えなのでしょうか?



石崎さん
『エンディングノートっていうと、人生の終わりの時のために、家族のために書くって思われがちですが、ぜんぜん違う使い方ができると思っています。

過去を振り返って、今を知って、未来が整理できる。つまり、自分の人生をずーっと一貫して眺められる。だから、“自分の生き方ってこれでいいのかな”って確認するために、ものすごくいいツールです。

これまでの人生を振り返る項目では、たとえば幼稚園のエピソードなんかも思い出す。そういうきっかけがないと思い出さないから、忘れたままになっちゃいます。脳のシナプスの回路が復活するいい機会にもなる(笑) そんなことがないと、一生忘れたままになってしまうかもしれません。』

確かに、そんな機会がないと小学校の担任の先生の名前とか、思い出さないです(笑) たとえ日記をずっとつけていたとしても、振り返って思い出すって機会はあまりないのかもしれないし、未来のことは日記には書かないですもんね。

ところで石崎さんの講座では、エンディングノートを“書く”ということにはこだわっていらっしゃらないとか?

ある日の「エンディングノート講座」

石崎さん
『以前は講座の中で書くこともしていたのですが、書くことが目的ではないので、必ずしも書く必要はないと思えてきたんです。「エンディングノートを見てみましょう、見て一緒に考えましょう、お話ししましょう」という気持ちが大きくなってきて。無理やり書くのではなく、このテーマについて知って、自分はどう感じるか、どう考えるかを話すことが大事だと思っています。

講座では、テーマについて知識や情報を得て、それに対して自分はどうしたいのか、これから先の生き方を模索する機会にしてほしいな、と。その後に自分のエンディングノートを書くことにもつながれば、より良いと思います。』

なるほど、学びの場ということを大事にしているから、講座では書かないんですね。その場で知識を得て、ほかの皆さんの考えなども聞いて、自分の意見を話したりすれば、思考も、志向も、自分で分かってきますね。
初めての方には、自分に合うエンディングノートの選び方や書くときのポイントなど、事前レクチャーもしてくれるそうです。

学びの場としての「エンディングノート講座」、具体的にはどんなことが学べるのでしょうか?

トラベシア代表の石崎公子さん

「“日ごろ絶対に考えないことを考える”のが面白い!」
石崎さん
『2014年の4月にスタートして、最初は「エンディングノートの構成と選び方」や「人生を振り返る」など、まずは基本となること。その後は、お金のことや介護、医療、相続など専門的なテーマを学んでいきました。今後も、今とこれからの時代に必要となるテーマをさらに深掘りしていく予定です。

一般的なエンディングノートや終活の講座だと、ノウハウやハウツーに寄る話が多いですが、トラベシアのエンディングノート講座では、自分らしい生き方を考えさせてくれる、心に寄る話をしてくださるような専門家の方をお呼びしています。

ふだんお会いできないような第一線でご活躍されている方と、プライベート感覚でお話ができるというところが、参加者の方に好評を得ています。今、現場で起きていることや、業界の裏話なんかもコッソリお聞きできますよ。』



それはぜひ、お話を聞いてみたいし、お話ししてみたいですね!参加者の方からは、ほかにどういう声が聞かれますか?

石崎さん
『エンディングノートのテーマって、まだ自分ゴトになっていないものもありますよね。ぜんぜん先のことと思って、意識すらしたことがないことなど。それを、講座のテーマとして学ぶことで、自然と意識に入ってくる。考えておいた方がいいことでも、自分だけだったら、日ごろ絶対に考えないことを考えるってところが面白い!って言う方もいます。この先の人生を考える講座だ、と。

日常の仕事や暮らしの中では、なかなか接点を持ちにくい特殊な業界の専門家の方に会え、リアルな話を聞けるのがスゴイ、という声も。いざという時に、相談できる専門家と知りあえたのは心強いっていう方もいらっしゃいます。』

この日の講師は、特定非営利活動法人アビィフィールド日本協会副理事長でケアマネージャーの飯島孝子さん
参加者の方からも多数の質問があり、活発に、なごやかに話し合いがおこなわれた。とても分かりやすいテキストも

人生の終わりのことって、普段は意識しないですもんね。お題を出されると、ムリクリ考える機会を持つわけで。そうしていざ考えてみたら、いろいろ発見できて面白いかも。
一方、専門家の方からはどのような声がありますか?

石崎さん
『専門家の方からは、こういう学びの場って誰にでも必要ですごく大事なこと。そうしたテーマを継続的に学べる場ってほかにないから、すごく貴重ですねってしばしば言われます。

やはり皆さん、日々の生活に忙しくて、自分の人生を振り返ったり、俯瞰したりってなかなかできないから。そういう機会を月に1回、継続的に持つって大きいよねって。』

毎月継続的にそういった機会を持つ、というのがいいですね。確かに、ほかにそういった講座はないかもしれませんね。

さて石崎さん、「エンディングノート講座」を始められて1年数か月が経ちますが、こうした講座をやろうと思ったきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?

「失敗しないエンディングノートの書き方」出版をきっかけに
石崎さん
『2013年12月に「失敗しないエンディングノートの書き方」という本を出版しました。世の中にエンディングノートの本は多数あれど、たとえば行政書士や葬儀屋さんなど、大概その道のプロの方が書いていました。私はそうじゃなく、一般の人の目線で“エンディングノート開いたときに何が困るのか”って視点で書いたんです。

だって、プロは専門的な視点で書いていますが、一般の人はもっとその手前で困っていたり、失敗していたりするんですよね。どんなエンディングノートを選んだらよいかも、分からなかったり。普通の人の疑問や課題にお応えできるような本を書きたかったんです。』




一般の人にとっては、まず前提を知りたいっていうのがありますよね。失敗もしたくないです(笑)

石崎さん
『本の出版をきっかけに、講座も始めました。ベースに次のような考えがあったからです。
“誕生”から始まった人生、“死”がゴールだとしたら、ゴールから“今”を見たほうが、この先の人生が充実すると思うんです。死を意識するかしないかで、今をていねいに生きられるかどうかが変わってくるって。

だから、エンディングを考えることに無駄はないと思いました。それが本を書く動機にもなったし、講座を始めるモチベーションにもなった。もともと遺影に関心があって、その研究もしていたのですが、ベースにはそうした想いがあったからなんです。』

石崎さんは本を出版される前に、遺影を研究するブログを書いていて、いろいろな方からコメントやメッセージが届いていたそうです。「生きざまは顔に出る」と考えていて、その究極が遺影だといいます。

石崎さん
『遺影についても、自分らしく生きることをテーマに研究していました。“人はみんな違う。十人十色だから、自分らしくどうやって生きるか”っていうのが、私にとって大きなテーマなんです。自分らしく生きることを模索するツールが、遺影(顔写真)であり、エンディングノートであると考えています。』


“自分らしくどう生きるか”は、現代に生きる誰にとっても、大きなテーマなのではないでしょうか。共感する方も多いのでは?
最後に、読者の方にメッセージをお願いできますか。

日本テレビ「NEWS ZERO」の取材風景。キャスターもエンディングノート講座を受講

あなたが素敵だったら、下の世代はうれしくなる、元気が出る
石崎さん
『“終わり”を見ると、“今”が見えてくると思うんです。どこに行くのか分からないで走っているのと、分かって走っているのとでは、全然違います。トラベシアの「エンディングノート講座」は、あそこに行くんだって思い描いて、そこに向かって走れるようになる、そのためのものです。

日々の生活は忙しいけれど、だからこそちょっと待って、どこに向かって走ってるんだっけ?そういうことを、この講座で一緒に考えてみませんか?』

このエンディングノート講座は、自分のこれから先の生き方を考えるコミュニティ、なんですね。

石崎さん
『はい。この“自分らしい生き方を探す”って、40代50代だからこそ大事です。
だって、定年間近のオジサンたちのショボくれかたって残念なところがあるでしょう。会社人間だった人が、会社を離れることで、自分らしさを見失っているからだと思うんです。もう少し前から、未来の自分らしい生き方を考えておいたほうがいいんじゃないかな。

自分より年上の人が素敵だと、うれしくなりませんか?私は自分より10歳ぐらい上で、素敵な女性を見るとすごくうれしくなるの。きっと30代の人は、40代の素敵な人を見れば元気になるし、50代の素敵な人を見れば、40代の人はそれを目指せるようになる。
未来の自分像を明るく描くためにも、この講座で一緒に学んでみませんか。』




自分らしい生き方を探究して、未来も自分らしく生きるためのコミュニティ、トラベシアの「エンディングノート講座」。素敵になれそうな予感がします(笑)

石崎さん、ありがとうございました。

※記事内容は取材日時点のものになります。必要時にはお問合せ等でご確認ください。
(取材日:2015年7月)












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