人生ドラマの主役で、脚本家で、演出家で、ファンクラブ会長は“私自身” ~久保田泉さん~

オモロウゴの達人

アロマテラピーを教える講師であり、日本ホリスティック医学協会の理事もされていて、さらに薬剤師でもある久保田泉さん。製薬会社で働くキャリアウーマンだった久保田さんの、人生を変えた出逢いとは? 歳を重ねてますます輝く秘訣とは?
いつもイキイキと楽しく活動されている泉先生に、とっておきのお話をうかがいました。

久保田 泉(くぼた いずみ)さん
1952年9月生まれ
65歳 女性
「アロマテラピーの学校」講師/日本ホリスティック医学協会理事/薬剤師




患者に寄り添う医師、そしてアロマテラピーと出逢い人生が変わった

カッキー
アロマを教えていただいたこともあるので、いつもの「泉先生」と呼ばせていただきますね。泉先生は、アロマテラピーの講師で、日本ホリスティック医学協会の理事もされていますが、薬剤師でもあるのですね?

久保田さん
かつて薬剤師として製薬会社に勤めていました。子供の頃からなりたかった職業だったので、製薬会社に就職できたときは本当にうれしかったですね。でも、仕事を続けるうちに、薬は万能ではないって気づいたの。薬が進歩したらどんな病気も治せるようになる、と夢のように描いていたことが、案外そうでもないなと。

決定的だったのは、私自身が薬の副作用で入院生活を送ったこと。そして、一人の透析医療の専門医と出逢ったことです。その医師は、患者さんからとても慕われていました。患者さん達に注ぐ眼差しのあたたかさが、それまで出会った多くの医師とは違っていました。そこに衝撃を受けて…私の視点がグーッと変わっていったのです。

カッキー
どのように変わりましたか?

久保田さん
まずは、薬は万能ではないから薬の力を補うものが何かないか、って探しました。食養生?漢方?運動療法?健康食品?サプリメント?でもどれもが、私には性に合わなかったり、難しかったり。

そうした中「これ、いいかも」と勉強する気になったのが、アロマテラピーでした。香りは薬の力を補うものとしては最適だし、お金もそんなにかからない健康法だしね。当時の私にとって、アロマテラピーといえば、若い女性がおしゃれに楽しむものというイメージがあったけれども、なぜか惹かれたんですね。勘だったのかしら。

そして、学んでいくうちに、アロマってこんなに素晴らしい力が潜んでいるんだ!ということに驚かされました。勉強にも弾みがついて、ついには母校の講師になってしまったのです。あの医師と出逢って、アロマテラピーに出逢って、人生が大きく変わりましたね。

久保田泉さん

心が満たされるというアロマテラピーの効能

カッキー
泉先生の人生を変えるって、アロマの力はすごいなあ。私もアロマをちょっとはかじりましたが、たしかに良い香りを嗅ぐだけで幸せな気持ちになります。

久保田さん
アロマテラピーの講座をしていると、好きな香りに触れるだけでフワッとお顔つきが変わる場面にたびたび出会います。多分、ご本人は気づいていないでしょう。でも講師の側から見ているとすぐ分かりますよ、柔らかな表情に変わっていくのが。

カッキー
香りって人によって好き嫌いがありますよね?

久保田さん
まさしくそう。食べ物と同じように、好みは百人百様です。全員が同じだったら、かえって気味が悪いですよね。それから地域や国、民族などでも好みは違うそうですよ。こちらでは良い香りとされているものが、あちらではそうでもないとか。誰でも、自分になじみのある香りは好きでしょうね。

香りって、そのときの記憶と気分とがセットになっています。たとえばハッカの香りを嗅ぐと、子どもの頃に食べたハッカのドロップを思い出して懐かしくなったり、おばあさんがトクホンを貼る姿を思い出したり。逆に、苦手な香りは、かつて味わった辛い思い出とセットになっているかもしれませんね。

そうした香りを“嗅ぐ”ということだけでなく、アロマテラピーは、優しく“触れる”というのも魅力のひとつとしてあります。

カッキー
ハンドトリートメントしてもらうと、メチャメチャ気持ちいいですもんね。

久保田さん
トリートメントは、精油(エッセンシャルオイル)を植物油に希釈して肌に塗っていくわけですが、そのときできるだけていねいに、優しく触れていく。やさしく触れられると、心が満たされるのです。それは、薬を服用するときには味わえない気持ちのよさ、アロマテラピーならではの効能ね。

アロマテラピーには「人と人とをつなぐ力がある」と私は思っています。自分のことを丁寧に触れるように、どなたかを丁寧に触れてみる。仲良くなるのに、うってつけの方法。いい香りは言葉抜きでつながる力を持っている、きっと役に立つ方が大勢いるんじゃないかしら。そう思って日々活動しているんです。

すべてを全体的に捉える「ホリスティック」という視点

カッキー
優しく触れられたら、理屈抜きで親しい気持ちになると思います。アロマテラピーはそれが自然な形でできるのですね。ところで、泉先生は日本ホリスティック医学協会の理事もされていますが、「ホリスティック」って何ですか?アロマとどうつながるのでしょうか?

久保田さん
「ホリスティック Holistic」という言葉は「全人的」とか「全体的」「包括的」と訳されますが、ちょっとわかりにくいですよね。

たとえば、ホリスティックに「健康」を考えてみましょうか。「なにがどう全体か?」ということですが、『私たち一人一人を「ボディ」「マインド」「スピリット」の3つの要素から成る全体』と捉えてみてはどうでしょうか。

ふつうは「ボディ=からだ」と「マインド=こころ」を捉えるだけですが、「スピリット」も貴重な要素なのです。「スピリット」とは何か?というのはちょっとむずかしいのですが、「心と身体に宿り、身体の活動や心の働きを司る、その存在に不可欠な本質的なもの」とされています。

私は正直なところ、この考え方に出会ったときに全く実感がわきませんでした。病気になってしまった身体を治す、つまり、「からだ=ボディ」にばかり目がいっていたんでしょう。それでも、とても惹かれて「日本ホリスティック医学協会」に入会し、協会が開講する講座で学びました。

そうするうちに、私の暮らしぶりが「こころ」を大切にするものに変わっていきました。すると、イライラしなくなりました。そして、ずっと頑張らせてきた我が身を、そんなに頑張らせなくてもいいのかも、と思うようになったのです。今でもふと、以前の暮らしを思い返すことがありますが、その頃と比べると「こころ」の楽さ度合いがだいぶ違いますね。

ホリスティックヘルス塾のテキスト

というわけで、私は「ホリスティックにとらえる健康観」をもっと多くの方にも知っていただきたくて、日本ホリスティック医学協会の認定インストラクターとして「ホリスティックヘルス塾」の講師もしています。これは日本中の方に知っていただきたいと、切に願いながらしている活動です。

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